ラスパイレス指数とは、国家公務員の給料を100とした場合の地方公務員の給与水準を示す指数です。
100を超える指数となっている場合は、国家公務員の給与水準より高い水準の給与であることを示します。
総務省発表の平成31年の都道府県別のラスパイレス指数のトップは静岡県。
静岡県は市区町村別(指定都市・中核市除く1663団体)のトップ10にも、5つの市がノミネートしています。
今回はラスパイレス指数の仕組みを理解し、都道府県別、市区町村別の順位を確認することとします。
1.ラスパイレス指数とは
ラスパイレス指数は、国家公務員の俸給月額(行政職俸給表(一))を100とした場合の地方公務員一般行政職の給与水準を表す指数です。
国家公務員と地方公務員の給与水準を比較することができます。
総務省が、地方公務員給与実態調査結果として、毎年、公表しています。
ラスパイレス指数の目的は、給与水準較差の原因を分析し、給与制度・運用上の問題を解消し、適正化を図ることです。
一言でいえば、「ラスパイレス指数が高いところは下げるように努力しなさい」ということでしょう。
それでは、以下のサイトで公表さている投稿日時点最新の「平成31年地方公務員給与実態調査結果」で指数の高い地方団体を確認します。
🔎 地方公務員の給与水準|総務省
https://www.soumu.go.jp/iken/kyuyo.html
2.都道府県別のラスパイレス指数
平成31年地方公務員給与実態調査結果による都道府県別のラスパイレス指数のトップ5は以下の通りです。
①静岡県 102.3↗(前年2位)
②神奈川県 101.7↘(前年1位)
③三重県 101.6→(前年3位)
④茨城県 101.0→(前年8位)
④東京都 101.0↗(前年5位)
トップは静岡県。
前年の平成30年は102.4でしたので、0.1だけ下がりました。
ラスパイレス指数が100を超えている場合は理由と改善見込みを示すこととされています。
静岡県の公表ページでその内容を確認できます。
🔎 静岡県の給与・定員管理等について|静岡県
http://www.pref.shizuoka.jp/soumu/so-020/kyuyoteiin/index.html
平成30年の資料では改善の見込みについて、「職務の級の適用を新たな職に応じて定め直したところであり、今後、給与水準の適正化が図られるものと考えている。」とされています。
今後は適正化(下げるということ?)が図られるのでしょう。
静岡県以外の都道府県状況も、総務省の以下のサイトで確認することができます。
🔎 地方公共団体給与情報等公表システム
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/j-k_system/
3.市区町村別のラスパイレス指数
次に市区町村別のラスパイレス指数を確認します。
規模の大きい都市(指定都市・中核市)を除いた1663団体のラスパイレス指数のトップ10(10位は同率で3団体)は以下の通りです。
①京都府大山崎町 103.9↗(前年9位)
②静岡県熱海市 103.2↘(前年1位)
③静岡県袋位市 103.0→(前年3位)
④静岡県沼津市 102.9↗(前年10位)
⑤埼玉県入間市 102.7↗(前年10位)
⑤千葉県木更津市 102.7↗(前年6位)
⑤千葉県袖ケ浦市 102.7↗(前年16位)
⑧神奈川県座間市 102.6↗(前年16位)
⑨静岡県湖西市 102.5↗(前年41位)
⑩東京都瑞穂町 102.4↗(前年86位)
⑩静岡県三島市 102.4↘(前年1位)
⑩滋賀県守山市 102.4↗(前年41位)
ここでも静岡県が圧倒的な強さを発揮。トップ10のうち、5団体を占める結果となっています。
前年より指数が上がった沼津市を確認します。
🔎人事行政運営等状況の公表|沼津市
https://www.city.numazu.shizuoka.jp/shisei/office/ichiran/kikaku/jinji/jinji_kohyo.htm
改善見込みについて「今後も給与水準の推移等を鑑みつつ検討を行っていく方針」との記載があります。
前向きに?検討するとのことでしょう。
沼津市以外の静岡県の各市区町村の状況も、静岡県の以下のサイトで確認することができます。
🔎 県内市町の給与等|静岡県
https://www.pref.shizuoka.jp/soumu/so-420a/20kyuyoteiin/kyuyo.html
最後にまとめ。
・地方公務員の給与水準は首都圏だから高いわけではない。
・静岡県は都道府県としても高いが市区町村別にみても高い。
・江戸時代の幕府直轄領の静岡県(駿府)や御三家である茨木県(水戸)の給与水準が高いのはお国柄?
以上
written by suchika-hakaru