2024年10月より児童手当が大幅に拡充されます。
児童手当の拡充とあわせ、2026年からは高校生(16~18歳)の扶養控除は縮小予定です。
その昔、民主党政権時代に「子ども手当」が導入され、手当とのバランスを取るために、年齢16歳未満の扶養控除(年少扶養控除)が廃止されました。
子ども手当は予定していた満額支給に至らなかった一方、年少扶養控除は廃止されたため、高所得者世帯では実質手取り額が減額となる状況となりました。
今回の改正にあたり政府は、児童手当の拡充と扶養控除の縮小により全世帯で受益を得られる試算であるとしています。
今回は、2024年10月からの児童手当の拡充と2026年からの扶養控除の縮小について、確認します。
1.児童手当の拡充(2024年10月~)
2024年10月より、児童手当が大幅に拡充されます。主な変更点は以下の3つです。
1-1.所得制限の撤廃
現行では、養育者の年収が一定額を超えると児童手当が減額または支給されない仕組みでしたが、拡充後は所得制限は撤廃されます。
1-2.支給額の引き上げ(多子加算)
第3子以降の児童手当は、現行の月額1万5千円から月額3万円に引き上げられます。
第3子以降の加算期間は、「第1子が22歳になる年度末まで」です。
例えば、第1子が22歳の年度末を過ぎると、第3子は第2子となり多子加算の対象外となります。
1-3.支給期間の延長
中学生までだった支給対象年齢が、18歳まで延長されます。
児童手当の拡充を図解すると、以下となります。
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なお、子育て世帯にきめ細かく児童手当を支給することを目的に、年3回(6月・10月・2月)の支払いから年6回(偶数月)の支払いに変更されます。
2.扶養控除の縮小(2026年~)
「令和6年度税制改正の大綱」は2023年12月22日閣議決定されました。
児童手当については、所得制限が撤廃されるとともに、支給期間が高校生年代まで延長されることとなったことを踏まえ、高校生年代の扶養控除が縮小されます。
具体的には、所得税(国税)は38万円から25万円へ、住民税(地方税)は33万円から12万円に変更されます。
扶養控除縮小後の所得税の扶養控除を図解すると、以下となります。
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実施時期としては、所得税は2026年分から、住民税は2027年度分(2026年の収入・所得)から適用される予定です。
最後にまとめ。
・2024年10月より児童手当は拡充されるが、2026年からは高校生年代の扶養控除は縮小予定。
・全世帯において児童手当の拡充と扶養控除の縮小で受益を得られる試算。
・子が3人以上いる多子世帯であれば受益額は多額となる。
以上
written by suchika-hakaru