財務省は2020年度の国民負担率を公表しました(令和2年度の国民負担率を公表します )。
国民負担率とは、所得に対する税負担と社会保険料負担の割合です。
2020年度の国民負担率は、2019年度から0.7%増加し、44.6%となる見通しです。
内訳としては、税負担が26.5%、社会保険料負担が18.1%となっています。
税負担は消費税が10%に上がったため前年度比で0.7%増となりますが、社会保険料負担は前年度と変動はありません。
今回は2020年度の会社員の社会保険料率について保険料の内訳単位で確認することとします。
1.健康保険
会社員の健康保険は組合健保と協会けんぽの2つに大別されます。
健康保険の料率は、組合健保は組合単位、協会けんぽは都道府県単位で決定されます。
労使の負担割合は、組合健保では組合単位で任意に定めることができますが、協会けんぽは労使折半となります。
協会けんぽの2020年度の健康保険料率の全国平均は10%となっていますが、一番高い佐賀県(10.73%)と一番低い新潟県(9.58%)では1.15%もの差があります。
2020年3月分からの都道府県単位の健康保険料率を高い方から一覧にすると以下となります。
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🔎 令和2年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます|協会けんぽ
2.介護保険
介護保険料率は、組合健保は健康保険料率と同様に組合単位で決定されますが、協会けんぽは都道府県単位ではなく全国一律となります。
2020年3月分からの協会けんぽの介護保険料率は、前年度比0.06%増の1.79%。負担割合は労使折半です。
🔎 協会けんぽの介護保険料率について|協会けんぽ
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/1995-298/
介護保険料は高齢化の進展により、この10年で、2009年度の1.19%から、2020年度の1.79%へ、0.6%も上昇しています。
3.厚生年金保険
厚生年金保険料率は、2017年度(平成29年9月分)から18.3%で固定されていますので、2020年度も料率変更はありません。
負担割合は、労働者9.15%、事業主9.15%の労使折半です。
🔎 厚生年金保険料率の引上げが終了します|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000175945.html
🔎 厚生年金保険料額表|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/index.html
4.子ども子育て拠出金
子ども子育て拠出金率は、2020年度は0.36%に改定されます。
前年度比0.02%増です。
子ども・子育て支援法に定める拠出金率の上限は0.45%で設定されており、引上げは段階的に実施することとされています。
🔎 令和2年度における子ども・子育て支援新制度に関する予算案の状況について【PDF】|内閣府子ども・子育て本部
https://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/budget/r02_yosangaiyou.pdf
子ども子育て拠出金は、全額が事業主負担となりますので、労働者(会社員)の負担はありません。
🔎 保険料額表(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.html
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5.雇用保険
雇用保険料率は、「失業等給付の保険料率」と「雇用保険二事業の保険料率」の2つに大別されます。
失業等給付の保険料率は労使折半負担、雇用保険二事業の保険料率は事業主負担となります。
雇用保険料率は、2019年度からの改定はありません。
2020年度も一般事業であれば0.9%です。
一般事業の場合の負担の内訳は、労働者負担0.3%(失業等給付0.3%)、事業主負担0.6%(失業等給付0.3%、二事業0.3%)です。
🔎 雇用保険料率について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html
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なお、2020年4月1日からは従来雇用保険料が免除されていた高年齢労働省(保険年度の初日となる4月1日において満64歳以上の雇用保険一般被保険者)の免除制度が廃止されます。
2020年4月1日からは、高年齢労働者についても、他の雇用保険被保険者と同様に雇用保険料の納付が必要となりますので、留意しましょう。
🔎 雇用保険の適用拡大等について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000136389.html
6.労災保険
労災保険は、 業務災害や通勤災害に労働者が被災した場合に、事業主にかわって被災労働者やその遺族に必要な保険給付が行う制度となりますので、労災保険料は事業主が100%負担することとなります。
労災保険料率は業種ごとに保険料率が設定され、原則3年ごとに料率の改定が行われます。
2018年度が改定年でしたので、2020年度も変更予定はありません。
全53業種で一番労災保険料率が高い業種は8.8%、一番低い業種は0.25%、その差は8.55%もあります。
🔎 労災保険・雇用保険の特徴|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/
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🔎 労災保険率表(平成30年4月1日施行)【PDF】|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaihokenritu_h30.pdf
労災保険には、事業所の労災発生状況により保険料率が増減するメリット制があります。
メリット制の適用により、業種別の原則料率と異なる事業所(会社)は、労働局より送付される「労働保険概算・確定保険料申告書」により、メリット制適用後の労災料率を確認しましょう。
以上
written by suchika-hakaru