住宅ローン控除が連帯債務の場合の年末調整での負担割合確認と按分計算

1005_担当者まさおの体系整理
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年末調整の住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除)の申告や確認にあたり、煩雑となるのが、借換えと連帯債務です。

借換えの場合は、「借換え直前における当初の住宅ローン残高」の確認を、支払証明書等で確認することが必要です。

一方、連帯債務の場合は、負担割合の確認や、「住宅借入金等特別控除申告書(以下、申告書)」の備考欄へ記入等が必要となります。

今回は、住宅ローン控除が連帯債務の場合の、①連帯債務の負担割合の確認方法、②他の連帯債務者の申告書の記入内容、③連帯債務の住宅ローン残高の按分計算の3つについて、確認します。

1.連帯債務の負担割合の確認方法

住宅ローンが、連帯債務である場合は、金融機関等が発行する「年末残高等証明書」の備考欄に、連帯債務者の名前が記載されています。

年調事務担当者は、その記載を確認し、借入金が連帯債務であることを判別します。

連帯債務の割合は、初年度の確定申告時に提出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の[連帯債務に係るあなたの負担割合]の欄の割合となります。

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スライドの例の場合、[連帯債務に係るあなたの負担割合]は、50%であることが確認できます。

なお、共有持分の追加取得等により共有持分の変更があった場合は、当初の確定申告による申告内容と異なることから、再度、確定申告が必要です。

2.他の連帯債務者の申告書の記入内容

連帯債務の場合、「申告書」の[備考]欄に他の連帯債務者の負担額や氏名・住所等の記入が必要です。

具体的な記入内容を、確認しましょう。

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他の連帯債務者が[備考]欄に記入するのは、以下の事項です。

①「私は連帯債務者として、住宅借入金等の残高○○○円のうち、○○○円を負担することとしています。」等の文言

②住所及び氏名

③勤務先の所在地及び名称(他の連帯債務者が給与所得者の場合)

なお、居住日の属する年分が平成31年分以後である個人に対し、令和2年10月1日以後に税務署から送付された控除証明書には、控除を受けるべき人の負担割合が記載済です。

そのため、負担割合が記載された控除証明書を添付する場合は、申告書の備考欄への連帯債務者に関する事項の記入は不要です。

3.連帯債務の住宅ローン残高の按分計算

住宅ローンが連帯債務である場合には、負担割合に応じた住宅借入金等の年末残高の按分計算が必要です。

国税庁の記載例の「年末残高証明書」と「申告書」と、つながりを確認しましょう。

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(按分計算)
連帯債務による住宅借入金等の年末残高 ✖ 申告者の負担割合 = 申告者が負担すべき部分の年末残高

申告者が負担すべき部分の年末残高が計算できたら、あとは、通常通り、「申告書」の記載方法に沿って記入を進めると、住宅ローン控除額を計算できます。


最後にまとめ。

・連帯債務の負担割合は、初年度の確定申告で提出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の[連帯債務に係るあなたの負担割合]の欄の割合。負担割合を変更する場合は、再度、確定申告が必要。

・連帯債務の場合、「申告書」の[備考]欄に他の連帯債務者の負担額や氏名・住所等の記入が必要。ただし、税務署から送付された控除証明書に控除を受けるべき人の負担割合が記載済の場合は記入不要。

・連帯債務の申告者が負担すべき部分の年末残高は、「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」に「申告者の負担割合」を乗じた額。

以上

written by tantosya-masao

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