年末調整の障害者控除の一般と特別の判定区分表と提出書類

1005_担当者まさおの体系整理
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会社員が年末調整で受けられる所得控除は、13種類。

その中で、所得者本人や家族に心身に一定の障害があり、所得税法上の障害者に該当する場合に受けられる所得控除が、障害者控除です。

障害者控除の適用を受けるには、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』の所定欄への記入が必要です。

障害者控除は、障害の程度により、所得控除額が異なります。

今回は、所得税の障害者控除を受けるための提出書類と、一般と特別の区分別の該当要件を判定区分表で確認しましょう。

1.所得控除額

所得控除額は、一般の障害に該当する場合は、27万円

特別の障害に該当する場合は、40万円となります。

家族が特別障害者で、かつ、同居の場合は、特別障害の40万円に、35万円を加算した75万円が所得控除額となります。

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対象となる家族の範囲を、確認しましょう。

<同一生計配偶者>
所得者と生計を一にする配偶者(青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除く。)で、所得見積額が48万円以下(給与所得だけの場合、給与収入金額が103万円以下)の人。

<扶養親族>
所得者と生計を一にする親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除く。)、児童福祉法の規定による里子又は老人福祉法の規定による養護老人で、所得の見積額が 48 万円以下の人。16歳未満の年少扶養親族も対象となる。

家族が特別障害者に該当する場合で、所得者、所得者の配偶者又は所得者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としているときは、同居特別障害者となります。

2.提出書類

障害者控除の適用を受けるためには、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』に所定の事項を記載し、給与の支払者に提出する必要があります。

🔎 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm

障害者控除の適用を受けるために必要となる記入箇所は、以下です。

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記入方法は、国税庁の「令和4年度の年末調整のしかた」の記入例を確認しましょう。

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3.判定区分表

障害者に該当するかどうかは、年末調整を行う日の「現況」により判定します。

通常の年末調整であれば、「12月31日」の現況となります。

障害の内容が、以下の8つのいずれかに該当する場合に、障害者控除が適用されます。

⑴ 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人

⑵ 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター又は精神保健指定医から知的障害者と判定された人

⑶ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人

⑷ 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある者として記載されている人

⑸ 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人

⑹ 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第11条第1項の規定による厚生労働大臣の認定を受けている人

⑺ 常に就床を要し、複雑な介護を要する人

⑻ 精神又は身体に障害のある年齢65歳以上の人で、その障害の程度が上記の⑴、⑵又は⑷に該当する人と同程度である人として市町村長、特別区の区長や福祉事務所長の認定を受けている人

一般の障害者と特別障害者の区分は、以下の判定区分表で、確認しましょう。

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判定区分表の(8)市区町村長等の認定を受けた人の判定基準を、補足します。

(市区町村長等の認定を受けた場合の区分)
●何らかの介護サービスを利用している場合・・・一般の障害者
●成年後見人が選任されている場合・・・特別障害者

年末調整で障害者控除の適用を受ける場合に、障害の程度を証明する書類の提出は、法令上の要件ではありません。

企業の事務担当者は、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』の記載内容により、一般と障害の区分を判別し、計算することでも、差し支えはありません。

🔎 障害者控除|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm


最後にまとめ。

・障害者控除には、一般と特別の2種類がある。

・所得控除額は、一般の障害者は27万円、特別の障害者は40万円。特別の障害者が同居の場合は、同居特別障害者として75万円。

・一般と特別の判定は、証明書類に記載された障害の内容によって、判定する。

以上

written by tantosya-masao

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