定額減税速習!令和6年分所得税の定額減税Q&Aをわかりやすく要約

1003_相談員はじめの9つの質問
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令和6年6月から、所得税・個人住民税の定額減税が開始されます。

定額減税の額は、所得税3万円、住民税1万円です。

住民税は市区町村での事務となりますので、企業側の事務負担はありません。

令和6年分の住民税については、定額減税額を控除した年税額を令和6年7月分~令和7年5月分の11か月で均等徴収する対応となります。

給与所得者の所得税については、源泉徴収義務者(企業)で定額減税事務の実施が必要です。

令和6年2月5日、国税庁は定額減税の実施要領として「令和6年分所得税の定額減税Q&A」を公開しました。

🔎 定額減税特設サイト|国税庁
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm

今回は、約30ページに及ぶQ&Aを要約し、企業における定額減税事務の全体像を速習します。

1.定額減税の概要

1-1 定額減税の概要

所得税における定額減税は一人3万円。

非居住者は対象外。

合計所得金額1,805万円超(給与収入のみの場合2,000万円超)の高所得者も対象外。

同一生計配偶者(扶養している妻夫)や扶養家族分は扶養している所得者の税金から控除。

1-2 居住者と非居住者

居住者とは日本に住んでいる人(国内住所有り又は1年以上居所有り)。

非居住者とは海外に住んでいる人(居住者以外の個人)。

1-3 合計所得金額

所得とは収入から経費(収入を得るための費用)を引いた額のこと。

給与収入の場合であれば一年間の年収から給与所得控除額を控除した額が給与所得となる。

年収2,000万円であれば給与所得控除額は195万円となり給与所得は1,805万円。

子や障害等を有し所得金額調整控除の適用者は所得金額調整控除後の額が所得となることに留意。

1-4 同一生計配偶者

同一生計配偶者とは扶養している妻夫で合計所得金額が48万円以下の人。

給与収入103万円以下は給与所得控除額が55万円となるので給与所得は48万円以下となる。

1-5 扶養親族

扶養親族とは扶養している家族のうち妻夫以外の家族で合計所得金額が48万円以下の人。

給与収入103万円以下は給与所得控除額が55万円となるので給与所得は48万円以下となる。

1-6 定額減税の実施方法(給与所得)

定額減税の対象となるのは「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人。

いわゆる税額表の甲欄適用者。

定額減税は「月次減税」と「年調減税」の二つの事務を実施する。

月次減税は令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与・賞与から行われる。

所得税の定額減税の限度額(3万円)に達するまで毎月順次控除。

居住者の同一生計配偶者や扶養親族がいる場合は家族分も含めた額が限度額となる。

年末調整では年調減税の制度を追加し年単位で月次減税と定額減税の整合性をとる仕組み。

1-7 定額減税の実施方法(給与所得以外)【令和6年5月修正】

省略。

1-8 定額減税の実施方法(退職所得)

退職所得の源泉徴収税額からは定額減税を実施しない。

退職所得の源泉徴収税額があるときは確定申告で定額減税を適用することが可能。

退職所得で定額減税を実施するケースは給与賞与の月次減税と年末調整の年調減税でも定額減税の満額に達しない場合。

1-9 定額減税の実施方法(公的年金等)【令和6年5月修正】

省略。

1-10 源泉徴収で定額減税を行う公的年金等の範囲【令和6年4月追加】

省略。

2.適用対象者

2-1 定額減税の適用対象者

給与賞与の月次減税の対象は令和6年6月1日に在籍している甲欄適用者。

甲欄適用者とは「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人のこと。

年調減税は年末調整計算の対象者であれば適用対象となる(合計所得金額が 1,805 万円超は除外)。

死亡や出国による年途中年調者も年調減税が適用される。

2-2 所得制限を超える人に対する定額減税

給与収入2,000万円を超える人も給与賞与の「月次減税」は対象となる。

ただし給与収入2,000万円を超える人は年末調整の対象外なので「年調減税」を受けることはない。

「確定申告」をした際に月次減税による定額減税額は精算される。

2-3 公的年金等の支払を受ける給与所得者に対する定額減税【令和6年5月修正】

省略

2-4 給与所得者における定額減税の適用選択権の有無

給与所得者に選択権はない。

対象者に該当すれば定額減税は実施する。

2-5 従たる給与に係る定額減税

従たる給与を受ける人とは税額表の乙欄適用者のこと。

乙欄適用者は定額減税の対象外。

各企業において定額減税の事務は不要。

2-6 日雇賃金に係る定額減税

日雇賃金を受ける人とは税額表の丙欄適用者のこと。

丙欄適用者は定額減税の対象外。

各企業において定額減税の事務は不要。

2-7 基準日前に死亡退職・非居住者となった人に対する定額減税【令和6年4月修正】

令和6年5月31日以前の死亡退職者・海外出国者の定額減税事務は源泉徴収義務者での対応は不要。

令和6年6月1日以後にいわゆる準確定申告書を提出する又は更正の請求書を提出による対応となる。

2-8 所得制限を超える人から定額減税不要の申出があった場合【令和6年4月追加】

控除対象者自身が定額減税の適用を受けるか受けないかを選択することはできない。

合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人も月次減税額を順次控除する。

2-9 青色事業専従者に対する定額減税【令和6年4月追加】

省略。

3.基準日在籍者

3-1 基準日在職者

月次減税の基準日は令和6年6月1日。

基準日に在籍している甲欄適用の居住者が基準日在籍者。

3-2 基準日に退職した人に対する定額減税

基準日である令和6年6月1日の退職者は基準日に在籍している。

よって基準日在籍者に該当する。

3-3 基準日の後に就職した人に対する定額減税

基準日未在籍の令和6年6月2日以降の入社者は月次減税の対象外。

年末調整の計算対象であれば年末調整で年調減税を受けることができる。

年末調整の計算対象外となった場合は確定申告で精算。

3-4 所得制限を超える人に対する月次減税

合計所得金額1,805万円を超える人は定額減税は対象外。

給与収入のみの場合は2,000万円を超える人が合計所得金額1,805万円を超える人。

2,000万円を超える人も基準日在籍者に該当すれば月次減税は実施する。

年調減税は対象外なので確定申告により月次減税を精算することとなる。

3-5 休職者に対する定額減税【令和6年4月追加】

給与の支払のない休職者も基準日在職者に該当する。

よって復職後に支払が発生した給与・賞与から月次減税額の控除を受けることとなる。

4.基準日在職者が退職した場合等

4-1 基準日在職者が再就職をした場合

再就職先では月次減税は実施しない。

年末調整の計算対象であれば年調減税は実施される。

4-2 控除外額のある人が死亡退職した場合

控除外額とは定額減税額のうち控除しきれなかった金額のこと。

死亡退職者は死亡による年途中年調を行うことで年調減税が適用され定額減税額が精算される。

4-3 控除外額のある人が出国した場合

控除外額とは定額減税額のうち控除しきれなかった金額のこと。

出国者は出国による年途中年調を行うことで年調減税が適用され定額減税額が精算される。

5.控除前税額

5-1 「財務省告示による税額計算の特例」と定額減税

財務省告示による税額計算の特例とはいわゆる機械計算の特例のこと。

機械計算の特例であっても月次減税事務にあたり特段の考慮事項はない。

5-2 控除前税額の計算に係る復興特別所得税

控除前税額とは源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額のこと。

給与賞与における源泉徴収税額には復興特別所得税も含まれている。

月次減税を実施するときも通常の給与賞与の源泉徴収税額の計算で差し支えない。

なお年調減税は年調所得税額(復興特別所得税を含まない額)から年調減税額を控除した額に102.1%(復興特別所得税加算)を乗じ年調年税額を算出する。

5-3 前月の給与の金額の10倍を超える賞与を支払う場合【令和6年3月追加】

前月給与の10倍賞与の支払う場合の源泉徴収税額の計算は前月の給与の金額に応じて「税額表に記載された税額」を基に算出する。

そのため「前月の給与に係る源泉徴収税額」は月次減税額を控除する前の税額となる。

6.月次減税額

6-1 月次減税のための申告書の提出

追加の申告書の提出は原則不要。

ただし「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載していない家族を月次減税額に含める場合は「令和6年分源泉徴収に係る定額減税のための申告書」の提出が必要。

6-2 非居住者である同一生計配偶者等に係る月次減税

非居住者は定額減税の対象外。

よって扶養している妻夫や家族が非居住者に該当すれば定額減税は対象外。

6-3 源泉控除対象配偶者

源泉控除対象配偶者とは給与所得者の合計所得が900万円以下で配偶者の合計所得が95万円以下の配偶者のこと。

給与収入のみであれば給与所得者の給与収入が1,095万円以下で配偶者の給与収入が150万円以下の場合に該当する。

なお定額減税の対象となる配偶者は源泉控除対象配偶者ではなく同一生計配偶者。

同一生計配偶者には給与所得者本人の所得制限はない。

配偶者の合計所得が48万円以下であれば同一生計配偶者に該当する。

6-4 控除対象扶養親族

控除対象扶養親族とは居住者のうち年齢16歳以上の親族又は非居住者で所定要件を満たす親族。

定額減税は非居住者は対象外のため居住者の控除対象扶養親族のみが月次減税の対象。

なお控除対象扶養親族非該当の年少扶養親族(16歳未満の扶養親族)についても月次減税額の計算には含める。

6-5 源泉控除対象配偶者に係る月次減税

月次減税額の計算に含めることができるのは同一生計配偶者。

同一生計配偶者に該当しない源泉控除対象配偶者(所得金額の見積額が48万円超)は対象外。

6-6 源泉控除対象配偶者(所得金額の見積額が48万円超)に係る月次減税

源泉控除対象配偶者で所得金額の見積額が48万円超の人は月次減税額の計算には含めない。

配偶者自身の所得税において定額減税の控除が行われる。

6-7 基準日在職者(所得金額の見積額が900万円超)の配偶者に係る月次減税

所得者自身の所得金額の見積額が900万円超の場合は配偶者の所得金額が48万円以下でも源泉控除対象配偶者に該当しない。

そのため「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には記載されていない。

源泉控除対象配偶者に該当しないが同一生計配偶者に該当する場合は「令和6年分源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を提出することで月次減税額の対象に含めることが可能。

6-8 控除対象扶養親族に係る月次減税

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載されている控除対象扶養親族は居住者であれば月次減税額の計算に含める。

6-9 16歳未満の扶養親族に係る月次減税

いわゆる年少扶養親族も居住者であれば月次減税額の計算に含める。

6-10 扶養控除等申告書に記載していない 16 歳未満の扶養親族に係る月次減税

いわゆる年少扶養親族は所得税の計算に影響しないため「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に未記載の場合がある。

未記載の場合で月次減税額の計算に含めるときは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の住民税に関する事項に記載して再提出する。

又は「令和6年分源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を提出する。

6-11 基準日の前に死亡した扶養親族に係る月次減税

月次減税の基準日である令和6年6月1日前に死亡した家族であっても死亡日時点で扶養親族に該当していれば月次減税額の計算に含める。

6-12 扶養親族の人数が変更になった場合

最初の月次減税事務を行った後は扶養親族の人数が変更になっても月次減税額は変更しない。

人数の変更による定額減税額の精算は年末調整又は確定申告で実施される。

6-13 扶養控除等申告書に記載された障害者である同一生計配偶者(月次減税時)【令和6年3月追加】

扶養控除等申告書記載の同一生計配偶者のうち月次減税額の計算に含めることができるのは源泉控除対象配偶者である同一生計配偶者に限られる。

よって源泉控除対象配偶者でない同一生計配偶者を月次減税額の計算に含めるためには同一生計配偶者についての記載がある「源泉徴収に係る申告書」の提出を受ける必要がある。

6-14 扶養控除等申告書等以外の様式の使用可否(月次減税時)【令和6年3月追加】

法令で定められた記載すべき事項が漏れなく記載できるのであれば別様式も可。

7.月次減税の方法等

7-1 各種手当や報奨金・一時金に係る月次減税

給与所得に該当すれば手当・報奨金・一時金の名称にかかわらず月次減税の対象となる。

7-2 6月の給与支給日前に賞与が支給される場合

6月最初の支払いが賞与である場合はその賞与から先に月次減税額を控除する。

7-3 未払給与(令和5年分)に係る月次減税

定額減税は令和6年分で行われる。

令和5年分の未払給与を支給しても月次減税の対象とはならない。

7-4 未払給与(令和6年分)に係る月次減税

定額減税は令和6年分で行われる。

令和6年分の未払給与で令和6年6月以降に支給する場合は月次減税の対象となる。

7-5 給与の増額改訂があった場合【令和6年3月追加】

給与改定による差額分の支給日や改訂の効力発生日が令和6年6月1日以後の場合には月次減税を行う。

なお令和6年分の給与改定であっても差額分の支給日や改訂の効力発生日が令和7年1月1日以後であるときは月次減税を行わない。

8.年調減税額

8-1 年調減税のための申告書の提出

令和6年中の所得金額の見積額が1,000万円超の給与所得者の同一生計配偶者は配偶者控除・配偶者特別控除のいずれも対象外。

年調減税額の計算に含める場合は「令和6年分年末調整に係る定額減税のための申告書」を年末調整時までに提出することが必要。

「令和6年分年末調整に係る定額減税のための申告書」は「給与所得者の基礎控除申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書及び所得金額調整控除申告書」との兼用様式。

なお給与所得者の合計所得金額が1,805万円を超える場合は年調減税の適用を受けることはできない。

8-2 控除対象配偶者・配偶者特別控除の適用を受ける配偶者に係る年調減税

控除対象配偶者とは同一生計配偶者のうち合計所得金額が1,000万円以下の所得者の配偶者。

控除対象配偶者が居住者であれば年調減税額の計算に含める。

配偶者特別控除の適用を受ける配偶者は配偶者自身の所得税において定額減税額の控除を受けるので年調減税額の計算に含めない。

8-3 給与所得者(所得金額の見積額が1,000万円超)の配偶者に係る年調減税

給与所得者(所得金額の見積額が1,000万円超)の配偶者分の定額減税を受けるには年末調整時までに「令和6年分年末調整に係る定額減税のための申告書」を提出する。

令和6年中の合計所得金額の見積額が48万円以下である配偶者として記載された配偶者は年調減税額の計算に含める。

8-4 年末時点で非居住者となる見込みの同一生計配偶者等に係る年調減税

年調減税は令和6年12月31日の現況で判定する。

よって年末時点で非居住者であれば年調減税の計算に含めない。

8-5 年末時点で居住者となる見込みの同一生計配偶者等に係る年調減税

年調減税は令和6年12月31日の現況で判定する。

よって年末時点で居住者であれば年調減税の計算に含める。

8-6 所得金額が48万円超となる見込みの配偶者等に係る年調減税

令和6年分の所得金額が48万円超の場合は同一生計配偶者に該当しない。

よって年調減税の計算には含めない。

8-7 年の途中で出生した扶養親族に係る年調減税

年調減税は令和6年12月31日の現況で判定する。

よって年の途中で出生した扶養親族は年調減税の計算に含める。

8-8 年の途中で死亡した扶養親族に係る年調減税

親族の死亡時に所得者の扶養親族であれば年調減税の計算に含める。

8-9 同一生計配偶者について「源泉徴収に係る申告書」に記載して提出した場合の取扱い【令和6年3月追加】

同一生計配偶者について記載した「源泉徴収に係る申告書」の提出を受けた場合には年末調整の際に「配偶者控除等申告書(又は年末調整に係る申告書)の」提出が必要。

8-10 扶養親族について「源泉徴収に係る申告書」に記載して提出した場合の取扱い【令和6年3月追加】

扶養親族(年少扶養親族を含む)について記載した「源泉徴収に係る申告書」の提出を受けた場合には年末調整の際に扶養親族について記載した「扶養控除等申告書」又は「年末調整に係る申告書」の提出が必要。

8-11 扶養控除等申告書に記載された障害者である同一生計配偶者(年末調整時)【令和6年3月追加】

扶養控除等申告書の摘要欄に記載した同一生計配偶者を年調減税額の計算に含めるためには同一生計配偶者についての記載がある「配偶者控除等申告書(又は年末調整に係る申告書)」の提出が必要。

8-12 扶養控除等申告書等以外の様式の使用可否(年末調整時)【令和6年3月追加】

法令で定められた記載すべき事項が漏れなく記載できるのであれば別様式も可。

9.年調減税の方法等

9-1 所得制限を超える人に対する年調減税

合計所得金額が1,805万円を超える人は定額減税の対象外なので年調減税は適用されない。

給与収入が2,000万円以下で給与所得以外の所得により合計所得金額が1,805万円を超えることを「基礎控除申告書」に記載した所得者については年調減税は適用しない。

なお給与収入が2,000万円を超えている人は年末調整計算は対象外。

確定申告により月次減税は精算される。

9-2 令和7年以降に支給される給与等に係る定額減税

令和7年1月以降に支給される給与等に係る源泉徴収税額からは控除しない。

9-3 源泉徴収簿の記載方法【令和6年4月追加】

国税庁ホームページに掲載されている源泉徴収簿は源泉徴収事務の便宜を考慮して作成したもの。

その記載方法も含めて、法令で定められたものではない。

よって別紙を使用して年調減税額の控除計算の内容を記載しても差し支えない。

10.源泉徴収票・給与支払明細書・徴収高計算書

10-1 源泉徴収票への記載方法【令和6年4月修正】

定額減税額等は「給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄に記載が必要。

年末調整を行った場合は「源泉徴収時所得税減税控除済額×××円」を記載する。

年調減税額のうち年調所得税額から控除しきれなかった金額である控除外額がある場合は「控除外額×××円」を記載する。

所得者本人の合計所得金額が1,000万円超で配偶者控除・配偶者特別控除が適用されない居住者の同一生計配偶者である非控除対象配偶者分の定額減税の適用を受けた場合は「非控除対象配偶者減税有」と記載する。

非控除対象配偶者が障害者に該当する場合は「減税有○○△△(同配)」と記載する。

定額減税に関する事項を書ききれるよう「(摘要)」欄の最初に記載するなど留意する。

なお令和6年6月1日以後の出国・死亡等により年末調整後に作成する源泉徴収票も同様となる。

10-2 所得制限を超える人の源泉徴収票の記載方法【令和6年4月追加】

給与以外の収入があり令和6年分の合計所得金額が1,805万円を超える人は定額減税対象外。

「給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄には「源泉徴収時所得税減税控除済額0円、控除外額0円」と記載する。

10-3 外国人技能実習生の源泉徴収票の記載方法【令和6年4月追加】

定額減税対象の外国人技能実習生は租税条約の届出書の提出により源泉徴収税額が「0円」となる場合がある。

「給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄には、「源泉徴収時所得税減税控除済額0円、控除外額 30,000円」と記載する。

10-4 年末調整をしなかった人の源泉徴収票への記載方法

給与収入2,000万円超等のため年末調整未済の給与所得者は「給与所得の源泉徴収票」に定額減税に係る記載は不要。

年末調整未済者は確定申告で最終的な定額減税との精算を行うこととなる。

10-5 退職した人(年末調整未了)の源泉徴収票への記載方法

中途退職者の「給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄に定額減税額等の記載は不要。

中途退職者は再就職先の年末調整又は確定申告で最終的な定額減税との精算を行うこととなる。

10-6 同一生計配偶者や扶養親族となっている人の源泉徴収票の記載方法 【令和6年4月追加】

同一生計配偶者や扶養親族となっている人は源泉徴収税額が発生しない。

「給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄 には「源泉徴収時所得税減税控除済額0円」「控除外額 30,000円」と記載する。

なお同一生計配偶者や扶養親族となっている人の源泉徴収票に記載された控除外額は扶養者の定額減税において加味される。

10-7 源泉徴収票の「控除外額」と給付金【令和6年4月追加】

源泉徴収票の「控除外額」は令和7年に実施する不足額給付の額を算出の際に用いる。

ただし「控除外額」に記載された金額と不足額給付の額は必ずしも一致するものではない。

10-8 給与支払明細書への記載事項

月次減税額の控除をした場合は給与明細書に「定額減税額(所得税)××× 円」・「定額減税×××円」などの記載が必要。

10-9 給与支払明細書に月次減税額を記載するスペースがない場合

給与明細書への記載が困難な場合は別紙に「定額減税額(所得税)×××円」などと記載することでも差し支えない。

10-10 所得税徴収高計算書(納付書)の記載方法

所得税徴収高計算書(納付書)の記載方法は、従来と変更なし。

「税額」欄には月次減税額控除後の金額(実際に納付すべき源泉徴収税額)を記載する。

11.各人別控除事績簿

11ー1 各人別控除事績簿の作成の要否

各人別控除事績簿は定額減税事務の補助資料。作成は義務ではない。

11ー2 各人別控除事績簿以外の様式の使用可否

各人別控除事績簿は定額減税事務の補助資料。

法定化されたものではないので各企業の適宜の様式で差し支えない。

12.各種給付措置

12ー1 定額減税と併せて行われる各種給付措置【令和6年4月修正】

各種給付措置は居住している市区町村が問い合わせ先となる。

12ー2 定額減税と併せて行われる各種給付措置に対する課税【令和6年4月追加】

所得税及び個人住民税の定額減税と併せて行われる各種給付措置により支給される給付金に所得税等は課されない。

以上

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