対話型AIのChatGPTが話題です。
ChatGPTの利用にあたっては、OpenAI社のサイト(https://openai.com/blog/chatgpt/)にアクセスし、アカウントを作成することが必要です。
アカウント作成は、メールアドレスとパスワードを設定し、電話番号認証をすることで、誰でも無料で利用することができます。
日本語の質問にも、難なく、回答してくれます。
今回は、ChatGPTに人事・労務の3つのトピックスを質問した結果について紹介しましょう。
1.人的資本経営
人材(ヒト)を資本と捉え、従業員の能力・スキルを育成・評価することで、企業価値を最大化していく人的資本経営が、昨今の話題です。
2023年3月期決算以降の有価証券報告書から、人材育成方針等の人的資本に関する戦略や、女性管理職比率等の人材に関する指標の記載が求められます。
ChatGPTには、人的資本経営とは何かを教えてもらいました。
Q:質問(Input)
人的資本経営について教えてください。
A:回答(ChatGPT)
人的資本経営とは、組織や企業において、人材を財産として捉え、その人材を最大限に活用し、人材の価値を向上させることを目的とした経営手法のことを指します。企業の中で育成・管理・活用し、企業価値を高めるための取り組みです。
人的資本経営において重要なのは、以下の要素です。
1. 人材の育成
人材の育成は、企業にとって最も重要なリソースを最大限に引き出すことにつながります。人材のスキルアップやキャリアアップの支援、研修や教育制度の整備、フィードバックやアドバイスの提供などが含まれます。
2. 人材の管理
人の資本を最大限に生かすためには、人材の労働環境や福利厚生、キャリアパスなどを管理し、働きやすい環境を整備することが重要です。
3. 人材の活用
人材を活用するためには、役割や責任を明確にし、適切な業務配分やチーム編成を行う必要があります。また、コミュニケーションや意思決定のプロセスを改善することで、人材がより生産的に働くことができるようになります。
4. 人材の評価
人の資本の評価は、複数の貢献や成果を正しく評価し、報酬や昇進の基準を設定することが重要です。
人的資本経営は、企業にとって重要な経営戦略のひとつとなり、人材の価値を最大限に活かし、企業価値を高めるための取り組みが求められています。
簡単な質問にも、相応の分量で体系整理された回答を得ることができました。
回答内容も、人的資本経営の概略を抑えるには十分な回答です。
2.ジョブ型雇用
日本の採用・雇用は、新卒一括採用と終身雇用が、長らく中心的な役割を担ってきましたが、昨今はジョブ型雇用が話題の中心です。
ジョブ型雇用では、特定のポストに対する職務(ジョブ)・役割を定義し、特定のポストに人材の不足が生じたときは、社内外から職務遂行が可能な人材を獲得します。
制度導入にあたっては、ポストの職務・役割を定義したジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を作成することが必要となります。
ChatGPTには、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いについて、教えてもらいました。
Q:質問(Input)
ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いについて教えてください。
A:回答(ChatGPT)
「ジョブ型雇用」と「メンバーシップ型雇用」は、一般的な労働市場における雇用の形態に関する用語です。
以下にそれぞれの特徴を説明します。
ジョブ型雇用とは、労働者が特定の仕事に限定された契約を結ぶ雇用形態です。ジョブ型雇用は、労働市場において最も一般的な雇用形態の一つであり、従業員が経験やスキルに基づいて報酬を受け取ることが一般的です。
一方、メンバーシップ型雇用とは、従業員が企業や組織の制約として雇用され、長期的な関係を受け入れることを前提とした雇用形態です。 企業や組織の文化や目標に共感し、長期的な雇用関係を確認することが求められます。メンバーシップ型雇用は、従業員の忠誠心や貢献度を高め、企業や組織の文化や目標を実現することを目的としています。
簡単にまとめると、ジョブ型雇用は、特定の仕事やプロジェクトに焦点を当てた短期的な雇用関係で、報酬はスキルや経験に基づいて対処できます。メンバーシップ型雇用は、雇用関係を続けることを前提とし、企業や組織の文化や目標に共感し、従業員の貢献度や忠誠心を高めることを目的としています。
それぞれの雇用制度のポイントが簡潔に回答されています。
回答の通り、ジョブ型雇用では経験やスキルに応じて高い報酬が期待できるがポストが不要となれば仕事も失う可能性があり(就職)、メンバーシップ型雇用では高い報酬のかわりに長期雇用が約束された雇用制度です(就社)。
ジョブ型雇用を「最も」一般的な雇用と回答しているのは、やはり米国発のシステムです。
3.労働力不足
少子高齢化の進展におり、日本の生産年齢人口(15歳~64歳)は1995年をピークに減少しています。
令和4年版高齢社会白書(総務省)によると、2029年に6,951万人と7,000万人を割り、2065年には4,529万人となると推計されています。
ChatGPTには、労働力不足の解決策を教えてもらいました。
Q:質問(Input)
労働力不足の解決策について教えてください。
A:回答(ChatGPT)
労働力不足を解決するための策はいくつかありますが、以下にいくつかの代表的な解決策を挙げます。
1.外国人労働者の受け入れ
労働力不足を解決するためには、外国人労働者の受け入れが一つの解決策になります。外国人労働者の受け入れには、技能実習制度や特定技能ビザ制度などがあります。
2.女性やシニア層などの就労促進
女性やシニア層など、これまで就労率が低かった人々に対して、就労促進策を導入することで、労働力不足を解決することができます。保育所の整備や育児休業制度の充実、フレックスタイム制度の導入などが挙げられます。
3.自動化やロボット技術の導入
自動化やロボット技術の導入によって、人手不足を解決することができます。具体的には、生産ラインの自動化や物流の自動化などが挙げられます。
4.教育・研修制度の改善
教育・研修制度を改善することで、労働力不足を解決することができます。 具体的には、職業訓練やキャリア教育の充実、教育・研修費の助成など挙げられます。
以上が、労働力不足を解決するための代表的な策です。
改善策と具体例を示し、以上の締めの部分まで、違和感のない自然な流れの回答が生成されました。
回答内容も、外国人・女性・シニア層の活用やIT化による生産性向上が示されていて、解決策のポイントとしては十分な回答といえるでしょう。
ChatGPTの回答は、多少、不要な文字を削除した程度で、ほぼ「原文ママ」です。
膨大な情報を処理し、自然な文章が構成され、ポイントも的確です。
難点は、多少、回答までに、時間がかかることくらいです。
回答は、気長に、待ちましょう。
以上
written by soudain-hajime