最低賃金の全国平均年度推移と都道府県別ランキング(2024年度)

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2024年7月25日、中央最低賃金審議会は今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申を取りまとめ、公表しました。

今後は、地方最低賃金審議会が引上げ額を検討し、都道府県労働局長の決定を経て、10月に改定される見込みです。

中央最低賃金審議会の答申通りに決定すると、最低賃金の全国加重平均は「1,054円」となり、前年度(2023年度)からの引上げ額としては「50円」となりました。

  ↓【決定】

令和6年8月29日全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされ、全国加重平均額は2023年度から「51」引上げの「1,055」となりました。

今回は、最低賃金の全国平均年度推移と、2024年度の都道府県別の最低賃金について、グラフや地図、ランキングを用いて確認します。

1.最低賃金の全国平均の年度推移(2002~2024年度)

最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が使用者に求める最低限度の賃金支払額です。

最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。

地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、各都道府県で1つ決定されます。

特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。

地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払うことが必要です。

ここでは、最低賃金が時間額で示されることとなった2002年度以降の地域別最低賃金の全国加重平均の年度推移をグラフで確認します。

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約20年で、663円から1,055円と、約400円も上昇しています。

平成の時代は緩やかな右肩あがりでしたが、令和に入りここ数年では上昇ペースが上がっています。

従来は、最低賃金と雇用維持のバランスが崩れると失業が増えるため、慎重な引上げが続いていましたが、現在は人手不足と物価高騰もあり引上げ額は大きくなっています。

政府は、2030年代の半ばまでには「1,500」への引上げの目標を表明しており、本年度同様の上昇が継続することが想定されます。

2.都道府県別の最低賃金(2024年度)

厚生労働大臣からの諮問をうけた中央最低賃金審議会は、都道府県別の最低賃金額の改定に当たり目安制度を設けています。

一言でいうと、都道府県別のランク分けの制度です。

ランク分けは、一人あたりの所得や一世帯あたり消費支出などの経済指標を参考に行われています。

従来は、都道府県を4つの区分で分類していましたが、現在(2024年時点)は3つの区分により、目安額を示すこととしています。

●Aランク(6都府県)

埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪

●Bランク(28道府県)

北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡

●Cランク(13県)

青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

2024年度は、いずれのランクにおいても目安額の引き上げ「50円」となりました。

  ↓ 【決定】

地方最低賃金審議会の答申では目安額の「50円」を上回る引上げが27県。全国加重平均額は昨年度から「51円」引上げとなりました

2024年度の都道府県別の最低賃金を日本地図にあてはめて、確認します。

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いわゆる三大都市圏である「東京」・「大阪」・「名古屋」圏の賃金は、高い。

3.都道府県別の最低賃金ランキング(2024年度)

中央最低賃金審議会答申の目安額「50円」を上回る引上げは27県。

引上げ額の最高は徳島県「84円」、次いで岩手県・愛媛県「59円」となっています。

2024年度の都道府県別の最低賃金ランキングは、以下を参照ください。

都道府県名2023年度2024年度引上げ額引上げ率
1東京1,113円1,16350円4.5%
2神奈川1,112円1,16250円4.5%
3大阪1,064円1,11450円4.7%
4埼玉1,028円1,07850円4.9%
5愛知1,027円1,07750円4.9%
6千葉1,026円1,07650円4.9%
7京都1,008円1,05850円5.0%
8兵庫1,001円1,05251円5.1%
9静岡984円1,03450円5.1%
10三重973円1,02350円5.1%
11広島970円1,02050円5.2%
12滋賀967円1,01750円5.2%
13北海道960円1,01050円5.2%
14茨城953円1,00552円5.5%
15栃木954円1,00450円5.2%
16岐阜950円1,00151円5.4%
17富山948円99850円5.3%
17長野948円99850円5.3%
19福岡941円99251円5.4%
20山梨938円98850円5.3%
21奈良936円98650円5.3%
22群馬935円98550円5.3%
22新潟931円98554円5.8%
24石川933円98451円5.5%
24福井931円98453円5.7%
26岡山932円98250円5.4%
27和歌山929円98051円5.5%
27徳島896円98084円9.4%
29山口928円97951円5.5%
30宮城923円97350円5.4%
31香川918円97052円5.7%
32島根904円96258円6.4%
33鳥取900円95757円6.3%
34愛媛897円95659円6.6%
34佐賀900円95656円6.2%
36山形900円95555円6.1%
36福島900円95555円6.1%
38大分899円95455円6.1%
39青森898円95355円6.1%
39長崎898円95355円6.1%
39鹿児島897円95356円6.2%
42岩手893円95259円6.6%
42高知897円95255円6.1%
42熊本898円95254円6.0%
42宮崎897円95255円6.1%
42沖縄896円95256円6.3%
47秋田897円95154円6.0%
全国加重平均額1,004円1,05551円5.1%

(参照)

🔎 令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41785.html

🔎 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42150.html

🔎 地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran

以上

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