最低賃金は、都道府県労働局長が、地方最低賃金審議会の答申を踏まえ、毎年10月に改定します。
2021年度は、全国平均で過去最大となる前年度比28円引き上げの930円で決定しました。
最低賃金の全国平均の時間額は、ここ10年で、約200円も伸びています。
2021年度の都道府県別最低賃金の高低は、最も高いのが東京都の1041円、最も低いのが沖縄県と高知県の820円です。
都道府県別では、三大都市圏と、その他地域では、大きな差があります。
今回は、最低賃金の全国平均の年度別推移と都道府県別の目安ランク&ランキングを、グラフや日本地図の図解を通して、確認してみましょう。
1.全国平均の年度推移
最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。
地域別最低賃金は、各都道府県で1つ決定されます。
特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。
ここで確認する全国平均の年度推移の対象は、地域別最低賃金です。
最低賃金が時間額で示されることとなった2002年度以降の全国平均の推移をグラフで確認してみましょう。
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過去20年で、663円から930円と、267円の上昇。
特に、ここ10年で、約200円も上昇していることがわかります。
最低賃金の引き上げで考慮すべき点の一つは、最低賃金と雇用維持のバランスです。
バランスが崩れると、最低賃金の引き上げにより、失業が増えます。
2.都道府県別の目安ランク(2021年度)
都道府県別の最低賃金の決定に大きく影響するのが、目安制度です。
地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会が目安を示し、それを受けて各地方最低賃金審議会が各都道府県労働局長に答申します。
中央最低賃金審議会が示す目安は、都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示します。
2021年度の目安のランクわけは、以下の通りです。
●Aランク(6)
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
●Bランク(11)
茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
●Cランク(14)
北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
●Dランク(16)
青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
日本地図にあてはめて、確認してみましょう。
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やはり、東京・大阪・名古屋の三大都市圏とその周辺が、高いランクとなっています。
3.都道府県別のランキング(2021年度)
最後に、2021年度の都道府県別の最低賃金の時間額をランキングを確認しましょう。
・・・1000円台・・・
1 東 京 1041円
2 神奈川 1040円
・・・900円台・・・
3 大 阪 992円
4 埼 玉 956円
5 愛 知 955円
6 千 葉 953円
7 京 都 937円
8 兵 庫 928円
9 静 岡 913円
10 三 重 902円
・・・800円台・・・
11 広 島 899円
12 滋 賀 896円
13 北海道 889円
14 栃 木 882円
15 岐 阜 880円
16 茨 城 879円
17 富 山 877円
17 長 野 877円
19 福 岡 870円
20 山 梨 866円
20 奈 良 866円
22 群 馬 865円
23 岡 山 862円
24 石 川 861円
25 新 潟 859円
25 和歌山 859円
27 福 井 858円
28 山 口 857円
29 宮 城 853円
30 香 川 848円
31 福 島 828円
32 徳 島 824円
32 島 根 824円
34 青 森 822円
34 秋 田 822円
34 山 形 822円
34 大 分 822円
38 岩 手 821円
38 鳥 取 821円
38 愛 媛 821円
38 佐 賀 821円
38 長 崎 821円
38 熊 本 821円
38 宮 崎 821円
38 鹿児島 821円
46 高 知 820円
46 沖 縄 820円
東京都と神奈川県が、1000円を超え、頭一つ抜けています。
2021年度の最低賃金は、2021年10月1日以降、各都道府県で順次発効されます。
🔎 地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
以上
written by suchika-hakaru