QC7つ道具とは?すぐつかえる品質管理のフレームワーク

1005_担当者まさおの体系整理
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弁慶の7つ道具といえば、熊手(くまで)・薙鎌(ないがま)・鉄の棒(てつのぼう)・木槌(きづち)・鋸(のこぎり)・鉞(まさかり)・刺股(さすまた)。

あんこう鍋の7つ道具といえば、身、皮、胃(水袋)、肝、ぬの(卵巣)、えら、とも(ヒレ)。

そして、

品質管理(Quality Control)の7つ道具といえば、パレート図・特性要因図・ヒストグラム・グラフ・チェックシート・散布図・管理図です。

今回は、品質管理の基礎となるQC7つ道具の使い方や図解イメージを確認し、品質管理の理解を深めましょう。

1.パレート図

要因別(項目別)に値の大きい順に並べた棒グラフと、累積比率を表す折れ線グラフを重ねて表示したグラフ。

パレート図は、複数の要因の中から重要なポイントを抽出することに役立ちます。

パレート図の由来となるイタリアの経済学者パレートは、国民所得の分布を調査し、上位2割の高所得者が国民所得の8割を占有していることを発見しました。

いわゆるパレートの法則(2:8の法則)です。

国税庁の令和2年度の民間給与実態統計調査 の給与階級別の所得税納税額をパレート図にすると、以下となります。

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給与所得者数に占める給与収入500万円以下の割合は69.7%、500万円超の割合は30.3%です。

給与所得者の所得税納税額は、3割の人で、8割以上の納税がされていることがわかります。

🔎 パレート図|総務省統計局

https://www.stat.go.jp/naruhodo/9_graph/jyokyu/pareto.html

2.特性要因図

1つの結果(特性)に対して、その原因(要因)として考えられるものを体系的に整理した図

特性要因図は、不良品や不具合が発生したときの原因究明に役立ちます。

厚生労働省の令和2年雇用動向調査 の離職理由で、特性要因図を作成すると以下となります。

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離職につながる大きな要因と、その要因に個々の要素が整理されます。

3.ヒストグラム

データをいくつかの区間に分け、各区間に入るデータの度数表を作り、横軸にデータの区間を、縦軸にそのデータ区間に含まれるデータ値を長方形で図示したもの。

ヒストグラムは、データ分布状態を可視化することで、データのバラツキを把握することに役立ちます。

厚生労働省の2019年国民生活基礎調査の所得の分布状況をみてみましょう。

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平均所得金額(552万3千円)以下の人の割合は61.1%で、年収600万円未満が多数を占めていることが視覚的に確認できます。

🔎 ヒストグラム|総務省統計局

https://www.stat.go.jp/naruhodo/4_graph/shokyu/histogram.html

4.グラフ

データの特徴を視覚化したもの。

グラフは、データ分析の基本です。

代表的な3つのグラフの用途としては、以下となります。

・棒グラフ … データの大小比較をみる

・折れ線グラフ … データの時系列の変化をみる

・円グラフ … データ全体に占める割合をみる

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5.チェックシート

リスト形式でデータの名称・項目・数字などを記入する枠や項目名を書き込んだシート

チェックシートは、作業実施や事前準備の点検にも役立ちますが、不具合品や事務ミスなどの不良品の発生件数の把握に活用できます。

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6.散布図

2種類のデータを横軸と縦軸とし、データが当てはまるところにプロット(打点)して作るグラフ。

散布図は、2種類のデータの相関関係の確認に役立ちます。

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🔎 散布図|総務省統計局

https://www.stat.go.jp/naruhodo/9_graph/jyokyu/sanpu.html

7.管理図

データを時系列順にプロット(打点)し、上側管理限界線・中心線・下側管理限界線を引いた図

管理図は、製造工程や稼働状況が安定した状態にあるかどうかの判断に役立ちます。

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🔎 製品のバラツキを管理|総務省統計局

https://www.stat.go.jp/naruhodo/15_episode/toukeigaku/baratuki.html


なお、「新」QC7つ道具は、親和図・連関図・系統図・マトリックス図・アローダイヤグラム・PDPC・マトリックスデータ解析です。

以上

written by tantosya-masao

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